あんクリニック訪問診療

看護師 佐藤 陽

宮城県出身  昭和52年生まれ  特技:手話

略歴
  • 一般財団法人 宮城県成人病予防協会
  • 医療法人社団 爽和会
  • 医療法人社団 永研会
消化器科系クリニック、整形外科系クリニック、皮膚科系クリニック

看護師佐藤氏インタビュー

インタビュー

訪問診療の、一日の仕事の流れを教えてください。

毎朝9時前からスタッフ全員でミーティングを行い、9時半から訪問診療に同行します。移動は車。一日に平均12~15軒ほど訪問し、オフィスに戻るのは夕方6時くらいでしょうか。その後、カルテ処理など事務処理を終えてから一日の業務が終了します。訪問先は担当制で、各看護師で約80人の患者様を受け持っています。一人の患者様を訪問する頻度は月に2~4回ですね。

訪問診療が初めての場合、どのようにして専門スキルを身につけていくのでしょう。

最初の1~2カ月は、先輩の看護師が同行して教えます。先輩から在宅でのケアや他職種(各介護職等)との連携を教わり、見ながら覚えていくという感じでしょうか。また当クリニックの場合、在宅診療の知識が豊富な院長に何でも質問できますから、安心して専門知識・スキルを学ぶことができます。独り立ちできるまでは、スタッフ全員でバックアップしていきますよ。
看護の学校を出て、いきなり訪問診療から始めるのは無理があるかもしれませんが、内科や外科病棟等で、数年の経験がある方ならすぐに慣れると思います。

病院など、施設内の看護と訪問診療の看護の違いを教えてください。

病院は、処置に必要な医療用の道具や材料がすべて揃った状態でケアを行いますが、在宅看護の場合、訪問先は独居や老々介護など家庭環境がそれぞれ違う一般のご家庭であり、ケアについても専用のものがありません。

インタビュー

たとえば床ずれのケアひとつにしても、我々プロが行けない間は、ご家族にやってもらう必要があるわけです。ですから、一般的にも簡単に安く入手できるものを使ってご家庭で手軽にケアできる方法を考え、伝授するのも私たちの仕事のひとつです。ちなみに床ずれのケアには、100均などで売っている台所用の穴あきビニールとペット用シーツで床ずれ用パッドを作って使用するんですよ。

そのアイディアも皆さんで考えて。

ええ。看護師みんなで試行錯誤を繰り返しながら考えます。こんなことって、環境も設備も整った病院勤務ではありえないことですが、これがなかなか楽しい作業なんですよ。うちは、看護師主体でできる仕事が多く、またそれをドクターとも共有しているので、いろいろな角度からどんどん新しい発想が生まれます。
ときには、患者さんのご家族からアイデアをもらったりもします。

インタビュー

今後はスタッフも増やしていくそうですが、どのような方とともに仕事をしたいですか。

私たちの仕事はご本人のみならずご家族のケアも対象ですから、患者様が自分の家族だったらどうしたいか、とつねに自問自答しながら看護に関わることができる方ですね。それから、最初から「できない」と否定せず、「できない」から「どうすればできるようになるか」を考えれる閉ざした考えのない方がいいですね。

病院の場合、患者様に対して「お大事に」という言葉をかけますが、ここは訪問するたびに「また来るね」と声をかけて帰ります。患者様からも「待ってるよ」「次はいつくるの」といった声が返ってきます。人と人とのつながりの温かさを心底実感できる、素晴らしい仕事ですよ。

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